「地球を大切にする」窓のつけ方

爽やかな風が吹きぬけ、青々とした木々とまぶしい太陽・・・。
自然の恩恵を感じる季節ですが、一方で今年、グリーンランドを覆う氷河の年間流出量が地球温暖化のため10年で約2.5倍になったという発表が米航空宇宙局(NASA)からされ、地球温暖化が加速度的に悪化しているという事実を切迫感もって印象づけられました。
地球温暖化を防止するために私たちができることは何でしょうか。
家庭でのエネルギー消費の4分の1以上が冷暖房費だと言われ、照明も日々エネルギーを消費しています。
省エネルギーを実現する方法の一つとして、エコガラスを使う以外に窓でできることがあります。環境と親しみ自然を効果的に利用した窓の配置や大きさ・形状等、窓のつけ方について2回に分けてお話します。

 

その1 太陽の恵みを取り入れる 
○窓の向きで暖房費削減!

窓は南面を大きく、北・東・西面は小さくというのが基本です。
冬のエネルギー消費の28%を占めるという暖房費の削減には南面の大きな窓が効果的です。冬場は太陽高度が低いので窓から部屋の奥まで太陽が射し込みます。そして室内の床や壁等に熱が蓄えられて、太陽が沈んだ後も輻射熱となって放出され、気温の急激な低下を防ぎます。
逆に夏はというと、太陽高度が高いので、南面の窓からはそれ程部屋の中に日が挿し込むことはありません。
窓先に軒や庇をつければ、直射日光を防いでくれますし、ルーバーを取り付けることで日射を調節することもできます。

○太陽光を利用しましょう!

太陽光を効果的に採り入れれば日中の照明のエネルギー消費を抑えることができます。

高窓

 

 

 

 

 

 

 

 

1.明るく!

窓の大きさが同じであれば高い位置にある窓ほど部屋の奥まで明るさが取れます。
特に天窓は建築基準法で側窓(鉛直の壁にある窓)の3倍の採光が取れるとみなされています。住宅の居室では床面積の1/7以上の採光面積が必要と規定されていますので、1㎡の大きさの側窓では7㎡の部屋の採光が取れますが、天窓なら21㎡の部屋までの採光が取れるという計算になります。

 

2.照度差を小さく!

同一面積の側窓でも、縦長窓の方が横長窓より部屋の奥まで光を導くことができ、部屋全体の照度差が小さくなります。
1つの窓を設けるより同じ面積でもいくつかに分けて設け、できれば片側よりも両側に設けた方が効率的です。

 

3.拡散光で部屋の奥まで光を!

窓ガラスは透明より曇りガラスやガラスブロックを使う方が、光を乱反射し、拡散光となった柔らかな光を部屋の奥まで取り入れることができます。

 

4.ライトコート(光庭)で敷地や間取りの難を解決!

間口が狭くて奥行きが深い敷地で隣接した建物がある場合は、奥の部屋の採光が難しくなります。
又、間取りの都合で浴室や洗面所の採光が難しいこともありますよね。そのような場合には、建物で3方や4方を囲んだ中庭の一種のライトコートを設けると、奥の部屋や下階にも光を採り入れることができます。このライトコートは採光だけでなく、通風も効果的に確保できますし、空間に変化を与えます。

このように、窓のつけ方を工夫すれば省エネルギーにつながります。地球の全ての源となる太陽の恵みに感謝し、私たちの地球を大切にしたいものです。

 

*この文章は板硝子協会「エコガラス」ホームページにて連載されたコラムを一部加筆、修正したものです。